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特別企画

はじめに

会員の方より一般公募した特別企画について、年会実行委員会で検討の結果、以下16テーマの特別企画を採択いたしました。

※予稿集の分冊化により特別企画は講演予稿集の第T分冊に掲載されます。

※掲載情報は化学と工業1月号会告掲載内容を元に作成しております。最終的なプログラムは、1)ウェブサイト(2月22日公開)、2)プログラム(年会参加者へ配布)、3)化学と工業3月号のいずれかをご覧ください。

開催日 時間帯 特別企画タイトル
3/26 午前 化合物ライブラリーの意義と活用:化合物を介したアカデミアの化学系研究者と生物系研究者の連携による創薬研究
午前 マイクロ波化学プロセスの基礎と応用展開
午前 過渡的複合体を含む生命現象解明を目指した化学的アプローチ
午前 ソフト界面による材料化学の新潮流
午前 分子配列空間の精密制御と情報変換
午後 エキゾチック自己組織化材料:特異な形態および機能解析
午後 バイオ医薬時代の低分子創薬:生命化学の新たな挑戦
午後 機能物質創製を目指す化学空間の設計と制御
午後 ナノスケール分子デバイスを切り拓く分子科学の最前線
午後 有機半導体・伝導体の基礎・応用研究の最前線
3/29 午前 低次元無機-有機複合系の光化学-低次元無機化合物が創る空間を用いた機能創製研究
午前 有機スピントロニクス
午前 持続可能な社会を支える化学、化学技術および化学教育
午後 複合系光機能物質の革新と展開
午後 低炭素エネルギー創製・物質生産を支える光合成技術
午後 自己組織化超分子を基盤とする高次機能触媒の最前線

化合物ライブラリーの意義と活用:化合物を介したアカデミアの化学系研究者と生物系研究者の連携による創薬研究

趣旨

 我が国のアカデミアにおける合成研究は世界的に高く評価されている。これまで,永年にわたり我が国の大学及び公的研究機関において,膨大な数の化合物が創製され,社会の発展に大きく貢献したことは確かである。特に低分子化合物は新薬開発等にとって不可欠なものであり,さらに今後,化合物を合成し所有する化学系研究者と創薬ターゲットとなる蛋白等について研究を行っている生物系研究者が,化合物を介してより密接に連携して,アカデミ ア化合物ライブラリー及びその化合物データベースを恒常的に構築・活用し,アカデミアにおける創薬研究,特にバーチャルスクリーニングによる新薬候補化合物探索等において,さらに大きな成果を挙げ,社会に貢献することが期待される。

プログラム:3月26日(土)

09:30-09:50 有機合成化学者としての社会貢献(星薬科大)井原 正隆
09:50-10:05 天然物ライブラリーの活用と次世代化(産総研)夏目 徹
10:05-10:20 標的指向型ライブラリー構築と生命科学への貢献(阪大院理)深瀬 浩一
10:20-10:30 大学における合成化合物の保管管理(九大名誉)森 章
10:30-10:40 成果有体物の知的財産権(名古屋産業科学研究所 中部TLO)大森 茂嘉
10:40-10:55 生物機能制御化合物ライブラリー機構(東大化合物ライブラリー機構)岡部 隆義
10:55-11:10 アカデミアにおける化合物ライブラリー(京大iCeMS)上杉 志成
11:10-11:25 アカデミア化合物の抗がん評価(癌研)矢守 隆夫
11:25-11:40 バーチャルスクリーニングによるパーキンソン病治療薬の開発(北大院薬)有賀 寛芳
11:40-11:55 創薬における合成化学の意義を探る(星薬科大薬)本多 利雄
11:55-12:05 IT創薬を活用したパーキンソン病治療薬開発(富士通)紙谷 希
12:05-12:20 アカデミア化合物データベースの構築・活用(NPO化合物活用セ)奥山 彬
12:20-12:30 アカデミア化合物データベースの構築・活用(NPO化合物活用セ)鈴木 國夫

マイクロ波化学プロセスの基礎と応用展開

趣旨

マイクロ波の選択加熱を利用した高効率かつ環境負荷の小さい化学プロセスが注目されている。マイクロ波の非平衡反応場が創り出す、反応促進効果、新規物質創製、省エネルギー技術は、これからのグリーン・サスティナブルケミストリーを実現させるための革新技術となる可能性がある。  今回の特別企画では、ケミカルプロセスからみたマイクロ波加熱原理とマイクロ波効果および実用化に近いマイクロ波応用技術をとりあげる。マイクロ波加熱の基礎から応用まで最新の研究情報を発信し、次世代に向けた新産業創出として、日本の将来を担う学生、研究者、企業の技術者が直接に理解できる企画を目的とする。

プログラム:3月26日(土)

09:30-09:35 趣旨説明(産総研環境管理技術)竹内 和彦
09:35-09:55 マイクロ波による物質非平衡局所加熱の直接的解明と非熱的効果(東工大院理工)和田 雄二
09:55-10:15 マイクロ波による物質加熱と変性機構の理論解明(中部大)田中 基彦
10:15-10:35 非平衡反応場を利用したメゾスコピック組織形成と材料創製(東北大院工)滝澤 博胤
10:35-10:55 マイクロ波照射下の結晶成長とナノ粒子合成(九大先導研)辻 正治
10:55-11:15 マイクロ波効果をケミカルバイオロジーへ(九工大院情報工)大内 将吉
11:25-11:40 化学会社における実用化と開発の状況(新日鐵化学)河野 巧
11:40-11:55 マイクロ波による高効率ポリエステル合成(産総研環境化学研)○中村 考志・長畑 律子・竹内 和彦
11:55-12:10 マイクロ波バイオマス糖化技術(豊田中研)福島 英沖
12:10-12:25 バイオディーゼル燃料の高効率製造(マイクロ波環境化学)吉野 巌
12:25-12:30 まとめと展望(豊田中研)福島 英沖

過渡的複合体を含む生命現象解明を目指した化学的アプローチ

趣旨

 近年、生命現象の分子レベルの理解において、過渡的に形成される生体高分子の動的複合体の重要性が強く認識され、我国でも昨年度より「過渡的複合体」の理解を目指した科研費:新学術領域研究もスタートした。NMRやX線構造解析などの構造解析や種々の分光学、蛋白質や核酸の精密合成などの化学技術は、この領域に大きな貢献をして来たが、これまでは精製/再構成された系での解析が限界であり、生体分子が真に機能する細胞や組織でのリアルで動的な状態での理解への貢献は不十分であった。本企画では、有機合成、ケミカルバイオロジー、生体機能化学および構造生物学、一分子計測の第一線研究者に、このような限界を超える新しい手法について紹介いただき、動的な生体分子複合体の理解を加速する化学的アプローチの可能性について、参加者とともに議論する。

プログラム:3月26日(土)

09:30-09:35 趣旨説明(京大院工)浜地 格
09:35-10:00 膜蛋白質の構造化学的機能解明(東大院薬)嶋田 一夫
10:00-10:25 準安定なタンパク質複合体から構造情報を得るための戦略(九大生医研)神田 大輔
10:25-10:50 タグ・小分子プローブペアを用いたタンパク質特異的ラベル化法の新展開(九大院薬)王子田 彰夫
10:50-11:15 遺伝子の機能発現を光制御するケージド化合物の開発(東邦大理)古田 寿昭
11:15-11:40 蛍光センサーによる単一細胞内イノシトールポリリン酸代謝動態の解析(京大エネ研)森井 孝
11:40-12:05 トロンボポエチンシグナルの脂質ラフトによる制御(東大院薬・早大院理工)坂本 明彦・加藤 尚志・○船津 高志
12:05-12:30 磁気共鳴による細胞計測手法の開発(京大院工)白川 昌宏

ソフト界面による材料化学の新潮流

趣旨

高分子や生体分子が形成する界面は刺激によって構造や性質が大きく変化する、ソフトな特性を持っており、ソフト界面と定義される。ソフト界面は溶媒や基質などが介在する3次元的に厚みのある境界領域で、従来の科学領域で議論されてきた2次元界面ともバルクの状態とも異なる。ソフト界面は、溶媒やゲスト分子などとの相互作用を通じて動的に構造や性質を変化させ、様々な機能を発現する点に特徴がある。ソフト界面の構築、解析、応用によって、次世代に求められるしなやかで高機能な材料の開発が可能と考えられる。本特別企画では、ソフト界面について、特に次世代技術を担う若手研究者の研究について発表の場を設け、活発な議論を行い、本分野の発展と交流に役立てる。

プログラム:3月26日(土)

09:30-09:35 趣旨説明(九大院工)三浦 佳子
09:35-10:00 ソフト界面制御によるポリイオンコンプレックスナノ・マイクロ粒子の構造制御とその機能(東大院工)岸村 顕広
10:00-10:25 センサー表面における界面設計およびその分析法(日産化学工業)古性 均
10:25-10:50 トポロジー変化が駆動するインターロック架橋法の開発(東工大院理工)小山 靖人
10:50-11:15 超解像光学による界面/薄膜における単一高分子鎖の構造評価(京大先端医工)青木 裕之
11:15-11:40 超臨界NMR法によるWater-in-CO2エマルジョンのダイナミクス解析(東工大原子炉研)塚原 剛彦
11:40-12:05 細胞磁気ラベリングに向けたバイオナノ磁性粒子界面の分子設計(東農工大院工)吉野 知子
12:05-12:35 細胞界面のナノ接着制御による機能性ハイブリッド組織の創製(阪大院工)松崎 典弥

分子配列空間の精密制御と情報変換

趣旨

分子集積・組織化を利用したナノおよびマイクロメートルサイズの分子配列空間の精密制御は,生体機能や機能性材料の機能を制御する上で極めて重要である。近年,分子間相互作用の基礎的理解を踏まえ,分子構造のみでなく分子の配列空間を精密に制御することで,新たな情報変換デバイスを開発する研究が盛んになっている。本企画では,第一線の研究者による分子配列空間の精密制御と情報変換に関わる講演を通して,分子を基盤とした情報変換デバイス開発への新たな展望を提案する。

プログラム:3月26日(土)

09:30-09:35 趣旨説明(広島大院理)灰野 岳晴
09:35-10:05 機能因子の空間配列制御による構造・機能変換(筑波大院数理物質)鍋島 達弥
10:05-10:35 超分子相互作用を利用した発光性金属錯体微結晶の創出(奈良先端大物質)河合 壯
10:35-11:05 DNAナノウェルへのゲスト分子の選択的取り込みと精密配列化(東大先端研)葛谷 明紀
11:05-11:35 設計ペプチド・タンパク質によるアミロイド線維化の制御(東工大院生命理工)三原 久和
11:35-12:05 可視光駆動による一方向回転分子の開発(名市大院薬)樋口 恒彦
12:05-12:35 トポロジカル結合が作り出す空間の機能とその制御(東工大院理工)高田 十志和

エキゾチック自己組織化材料:特異な形態および機能解析

趣旨

自己組織化は、分子から組み上げる材料設計において必須の概念である。これまで、自己組織性分子の設計、自己組織化によるナノ構造体やソフトマテリアルの構築・構造解析や、電子機能・バイオ機能創発などにおいて多くの研究者が独創的な研究を展開してきた。しかし、限られた学問領域に留まったままでは、今後新しいブレークスルー、研究の新潮流は生まれ難い。本企画では、他の手法では得難いオリジナルな手法でエキゾチック自己組織化分子材料を創製し、それらの物性評価を行っている第一線の研究者による講演を通じて、『ボトムアップ型ものづくり』のハブを形成し、従来の学問領域の枠を超え、未開拓サイエンス創成に向けた情報交換の場を提供する。なお、本特別企画は、日本化学会新領域研究グループ「エキゾチック自己組織化材料: ExOM」によるものである。

プログラム:3月26日(土)

13:30-13:35 趣旨説明(九大院工)松浦 和則
13:35-13:55 巧みに構造制御されたエキゾチック多形体の機能創発(物材研ナノ有機セ)中西 尚志
13:55-14:15 企業から見たエキゾチック自己組織化材料への期待(富士フイルム 先端コア技術研究所)西見 大成
14:15-14:35 生体分子モーターの動的自己組織が生むエキゾチック機能(北大院先端生命)角五 彰
14:35-14:55 マイクロ波法による自己組織化材料中の局所的電荷輸送特性(阪大院工・JSTさきがけ)佐伯 昭紀
14:55-15:15 円偏光発光性キラル超分子の創成と機能創発(奈良先端大物質)内藤 昌信
15:15-15:45 ヘムタンパク質自己組織化集合体の構築(阪大院工)林 高史
15:45-16:05 ソフトマターのためのナノ触診技術(東北大WPI-AIMR)中嶋 健
16:05-16:35 液晶の超分子化・機能化における最前線(東大院工)加藤 隆史

バイオ医薬時代の低分子創薬:生命化学の新たな挑戦

趣旨

創薬がバイオ医薬に流れが移りつつある中で、合成低分子による医薬品開発は、さまざまな分析装置あるいは分注装置の高度化、先端化を受け、新しい挑戦の段階に入っていると言ってよい。一方、最近10年の生命化学領域における著しい成果は、生命科学研究の新しい時代を拓こうとしており、その出口として、次世代創薬の潮流が産まれてきている。そうした背景のもと、創薬領域における化学者の位置づけは今後もますます高まって行くものと考えられる。そこで、本企画では、バイオ医薬時代における低分子創薬とその周辺領域に新しい流れをもたらしている研究者に、最先端研究動向をご紹介頂き、生命化学の新たな挑戦について議論する。

プログラム:3月26日(土)

13:30-13:35 趣旨説明(東大医科研)津本 浩平
13:35-14:15 低分子化合物の標的タンパク質の同定(産総研)夏目 徹
14:15-14:55 抗体機能と低分子(化血研)中島 敏博
15:05-15:45 タンパク質−タンパク質相互作用を低分子で制御する(分子設計アドバイザー・インタープロテイン)○松崎 尹雄・森島 甫・肥塚 靖彦・高島 徹・伊藤 学・小松 弘嗣・細田 雅人
15:45-16:25 フラグメントベースド・ドラッグデザインによるリード化合物創生(アステラス製薬)新美 達也
16:25-16:30 総括(味の素製薬)辻 尚志

機能物質創製を目指す化学空間の設計と制御

趣旨

21世紀における地球規模での環境問題やエネルギー問題解決のために、生命や環境に優しい機能材料の創製と、環境負荷の小さい新たなプロセスの確立が求められている。その目的のためにナノテクノロジーを駆使した、様々な「高次構造」と「化学空間」を持つナノ集合体(機能物質)の構築が報告されているが、その大部分は「構造の新規性」のみに重点がおかれ、「空間とその機能」という観点から系統的な研究に取り組んだ例は少ない。本特別企画では、「環境に優しい新しい機能を発現するために化学空間が持つべき必要条件を検討した研究」のいくつかを集めて講演をお願いし、化学空間の設計に基づいた新規機能物質創製の方法論について討論する。

プログラム:3月26日(土)

13:30-14:15 自己組織化による化学空間の創出(東大院工)藤田 誠
14:15-15:00 タンパク質の分子改変を基盤とする新しい生体触媒の創製(阪大院工)林 高史
15:00-15:45 可視化透過チャンネルを有する自立型ブロックコポリマー分離膜(東工大資源研)○彌田 智一・山本 崇史・木村 太郎・小村 元憲・波多野 慎悟
15:45-16:00 ラダー型環状オリゴマーを基盤とした微細加工用レジスト開発(JSR株式会社)丸山 研
16:00-16:15 配座制御を基とする折り畳みπスタッキング高分子の設計と合成(神大工)岡本 専太郎
16:15-16:30 金属内包酸化物ナノ構造体の合成と触媒作用(神大工)内藤 周弌

ナノスケール分子デバイスを切り拓く分子科学の最前線

趣旨

シリコンデバイスの微細化限界を突破すると期待されるナノスケール分子デバイスを実現するためには、分子の設計・合成、1分子の観察・評価、および1分子の電気特性評価を行う分子科学の確立が、産学両分野において急務となっている。本企画では、各々の分野における最新の研究状況と将来課題について共通認識を得ることを目的として、理論化学、合成化学、表面科学、物理化学の広範囲な研究領域の第一線の研究者に参加を求め、ナノスケール分子デバイスに向けた分子の理論設計、合成、走査プローブ顕微鏡による1分子の観察・評価、1分子の電気伝導特性について、最前線の研究発表および討論を行う。

プログラム:3月26日(土)

13:30-13:40 趣旨説明(阪大産研)谷口 正輝
13:40-14:00 電気伝導の分子科学−実在系の分子伝導理論−(産総研ナノシステム)中村 恒夫
14:00-14:20 分子電気伝導および分子・金属複合系のための第一原理量子化学に関する研究(東北大院工)島崎 智実
14:20-14:40 単分子エレクトロニクス応用に向けたユニット開発(阪大産研・JSTさきがけPREST)家 裕隆
14:40-15:00 被覆型分子ワイヤを鍵とするビルドアップ型ナノ分子デバイス合成(京大院工)寺尾 潤
15:00-15:25 カーボンナノチューブ内部空間を利用した1次元分子ナノ構造の創製(産総研ナノチューブ応用研セ)岡崎 俊也
15:25-15:45 金属電極上のナノグラフェンにおける単一分子接合(理研)金 有洙
15:45-16:05 分子ワイヤにおける電荷輸送機構(阪大院基礎工)山田 亮
16:05-16:25 単一π共役分子の電子伝導(東工大院理工)木口 学
16:25-16:30 総括(阪大産研・JSTさきがけPREST)家 裕隆
 

有機半導体・伝導体の基礎・応用研究の最前線

趣旨

絶縁体と同義であった有機物の中から有機半導体が60年ほど前に発見され、有機物の電気伝導性に関する研究が始まった。この分野の発展に伴い、今では有機分子が主役を務める金属や超伝導体が存在する。有機伝導体の最近の研究は、伝導性の追究からさらに発展して、磁性が絡んだ伝導性や電場・光・圧力などの外場に応じて顕著な伝導性を示す複合的な機能を開発する方向を向いている。また、高移動度有機半導体の開発は有機トランジスタの実用性をますます高めつつある。新しい有機半導体・伝導体の開発研究は我が国が世界を先導しており、デバイス分野からも強い期待が寄せられている。本特別企画では、これらの分野の最前線で活躍中の研究者に、最新の研究成果と将来展望を講演していただく。

プログラム:3月26日(土)

13:30-13:35 趣旨説明(京大化研)佐藤 直樹
13:35-14:00 有機強相関電子系の構築-合成・構造的観点から-(兵庫県大院物質理)山田 順一
14:00-14:30 外場応答する機能性有機結晶の開拓-超伝導から歌う有機物質まで-(東大物性研)森 初果
14:30-15:00 有機分子集合体における磁性と導電性の連携(東大院総合文化)菅原 正
15:00-15:30 高移動度有機半導体の分子設計と開発(広島大院工)瀧宮 和男
15:30-16:00 共役系高分子の高次構造制御と薄膜トランジスタへの応用(山形大院理工)時任 静士
16:00-16:30 変換型半導体とその太陽電池への応用(三菱化学科技セ)荒牧 晋司
 

低次元無機-有機複合系の光化学-低次元無機化合物が創る空間を用いた機能創製研究

趣旨

一次元細孔、二次元ナノ空間などに基づく低次元包接系では、これまでにない特異な機能発現が期待できる。日本化学会新領域研究グループ「低次元無機-有機複合系の光化学」の活動を通して育まれた、低次元無機化合物が創る空間的な階層構造(メソ孔、空間異性、液晶など)内やその表面で観測される光伝達・キラル転写・光誘起電子移動などに関する若手・中堅研究者による最新の成果発表と、この分野を切り開いてきた先駆的研究者による「低次元無機?有機複合系への期待と将来展望」についての講演を通して、多くの魅力と可能性を秘める「低次元無機-有機複合系」の将来について議論を深める。

プログラム:3月29日(火)

09:30-09:35 趣旨説明(山口大院医)川俣 純
09:35-09:55 キラルな一次元Si-Oベースポリマーの創製と光機能性分子へのキラリティー誘起(鹿児島大院理工)金子 芳郎
09:55-10:25 分子集合におけるキラリティの役割(東邦大理)山岸 皓彦
10:25-10:45 (仮)ナノ空間の配向制御と異方的物性の発現(キヤノン)宮田 浩克
10:55-11:25 (仮)可視光を用いたチタニアナノシート層間での長寿命電荷分離(神奈川科学技術アカデミー)高木 克彦
11:25-11:45 無機ナノシートによる光機能性スマートコロイド(東農工大院BASE)中戸 晃之
11:45-12:15 ナノ層状環境における分子変化が誘起する可逆的巨視的変化(首都大戦略研)井上 晴夫
 

有機スピントロニクス

趣旨

近年、磁場と有機半導体を組み合わせた研究が興味をもたれている。代表例を上げれば、サンドイッチ型デバイスにおける弱磁場磁気抵抗、スピンバルブに代表される有機物質に対するスピン注入、等である。これらの研究は、未解明の点が多い一方で、地磁気を観測できるほど高感度の磁気センサーが現実に作成されており、次世代有機デバイスとしての可能性も指摘されている。このように、磁場と有機半導体の組み合わせから生じる現象は、基礎・応用の両面で、未開拓かつ有望な研究課題である。そこで、本シンポジウムでは、有機スピントロニクスに関する基礎的な解説および、有機スピンと電気物性に関連した種々の話題を提供する。

プログラム:3月29日(火)

09:30-09:40 はじめに(東大物性研)田島 裕之
09:40-10:15 スピン流を用いた分子におけるスピン依存伝導の研究(阪大院基礎工)白石 誠司
10:15-10:40 励起状態有機スピン化学とそれに関連する最近の話題(阪市大理)手木 芳男
10:40-11:05 有機太陽電池におけるスピン化学(新潟大院自然・JST-CREST)生駒 忠昭
11:05-11:25 開殻分子を利用した有機エレクトロニクス(名大物質国際セ)阿波賀 邦夫
11:25-11:45 有機薄膜デバイスにおける光電流磁場効果(東大物性研)田島 裕之
11:45-12:05 電子スピンをプローブとする有機トランジスタの電荷輸送(産総研光技術)長谷川 達生
12:05-12:30 単分子量子磁石を用いた分子スピントロニクスの新展開(東北大理)山下 正廣
 

持続可能な社会を支える化学、化学技術および化学教育

趣旨

グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク(GSCN)は我が国の先駆けとして、2000年より化学技術を通して持続可能な社会を実現する活動を推進しています。 持続可能な社会の実現には化学に関する幅広い分野の活動が必要です。本セッションは、GSCNの活動の柱の一つであるGSC賞の輝かしい受賞業績と、もう一つの柱であるGSCシンポジウムでの若手研究者の活動業績の紹介を通じて、持続可能な社会を支える化学、化学技術および化学教育について皆様と議論し、活動の輪をさらに大きく広げる場として企画いたしました。多数の方々のご来場をお待ちしております。

プログラム:3月29日(火)

09:30-09:45 GSCの最新動向(産総研)島田 広道
09:45-10:10 亜臨界水を応用した低環境負荷な界面活性剤合成プロセスの実用化(花王)宇野 満
10:10-10:35 多核金属クラスター触媒による環境調和型直接変換反応の開発(阪大院基礎工)真島 和志
10:35-11:00 マイクロリアクターの特性を生かした環境調和型精密有機合成(京大院工)吉田 潤一
11:10-11:25 有機ケイ素色素による色素増感太陽電池の高耐久・高効率化(群馬大院工)○撹上 健二・花屋 実
11:25-11:40 多孔質カーボン固体酸の合成と酸触媒特性(東工大応セラ研・産総研・神奈川科学技術アカデミー)○菅沼 学史・中島 清隆・北野 政明・林 繁信・原 亨和
11:40-11:55 環境調和型プロセスを用いたポリフルオレン誘導体の電解還元反応(東工大院総理工)○小関 良弥・林 正太郎・稲木 信介・淵上 寿雄
 

複合系光機能物質の革新と展開

趣旨

無機・有機複合体として精密に組み立てられた金属錯体などの複合系物質は、有機EL素子や色素増感太陽電池の光機能性材料として、既に応用研究が活発に行われている。これら複合系光機能物質の光機能性は、金属錯体の励起状態の性質を精緻に操ることにより容易に進化・多様化でき、外部の刺激に対応して発光色が変化する物質、高効率で円偏光発光を示すキラル希土類錯体、発光色を広帯域にチューニング可能な金属錯体一次元ポリマーなどの新しい光機能が最近注目されている。本特別企画では、国内を代表する研究者に複合系光機能物質の新たな展開について成果報告して頂き、光機性発現機構や分子設計指針に関わる討論を行う。

プログラム:3月29日(火)

13:30-13:35 趣旨説明(富山大院理工)野崎 浩一
13:35-14:05 ペプチド折り紙で作る光機能性人工タンパク質(北里大院理・さきがけ JST)石田 斉
14:05-14:35 応力発光材料とその応用(産総研)徐 超男
14:35-15:05 ベイポクロミズムの原理と応用(北大院理)加藤 昌子
15:05-15:35 光磁性材料の開発(九大先導研)佐藤 治
15:35-16:05 キラル配位子を有する非対称型希土類錯体の円偏光発光(北大院工・奈良先端大物質)○長谷川 靖哉・原田 聖・河合 壯
16:05-16:35 銅(I)配位高分子の発光色自在制御(富山大院理工)柘植 清志
 

低炭素エネルギー創製・物質生産を支える光合成技術

趣旨

植物の光合成反応をミクロな視点でとらえると,数十段階の分子間エネルギー・電子移動を経ながら量子収率ほぼ100%の驚異的な光→化学エネルギー変換系であり,太陽電池や水を分解した水素エネルギー獲得などポスト化石資源時代の低炭素エネルギー確保を考えるとき,光合成反応はきわめて有意義な手本となる.過去4年にわたり日本化学会春季年会において光合成の機構解明と工学応用に関する特別企画講演を実施し,いずれも100名以上の聴衆を集めた.特に昨年は最終日の午後のセッションにもかかわらず250名以上の聴衆が参加し,本領域の関心度の高さが裏付けられている.本年度も「太陽光エネルギー変換・低炭素エネルギー創製・物質生産を支える人工光合成技術」を中心とした特別企画講演とし,光合成の学術的・応用研究を環境・エネルギー産業界に情報発信する場としたい。

プログラム:3月29日(火)

13:30-13:40 趣旨説明(大分大工)天尾 豊
13:40-14:20 人工分子で光合成を組み立てる:キノンプールの光化学(分子研)永田 央
14:20-15:00 酸素発生光化学系II複合体の1.9Å分解能における結晶構造解析(阪市大・複合先端研究機構)神谷 信夫
15:10-15:50 光合成機能に学ぶ有機系太陽電池開発(東大先端研)瀬川 浩司
15:50-16:30 人工光合成系による二酸化炭素の光還元(東工大院理工)石谷 治
 

自己組織化超分子を基盤とする高次機能触媒の最前線

趣旨

触媒金属や機能性有機分子の自己組織化を利用する超分子触媒創製に取り組む8人の若手研究者による最新の研究成果発表をもとに、1)触媒ユニットの精密集積制御、2)触媒作用点の協働効果に基づく超分子触媒固有の活性発現、3)自己組織化により形成されるナノ空間の反応場としての利用、4)コンビナトリアル合成による超分子触媒ライブラリーの構築、5)自己組織化超分子の特性を利用した回収・再生可能な環境調和型触媒の創製等の観点から超分子触媒の将来の展望と可能性について討論する。

プログラム:3月29日(火)

13:30-13:40 趣旨説明(京大化研)高谷 光
13:40-14:00 多環芳香族分子を活用した超分子空間の構築と機能(東工大資源研)吉沢 道人
14:00-14:20 修飾シクロデキストリンを用いた超分子重合触媒の開発(阪大院理)高島 義徳
14:20-14:40 無機−有機ユニットの階層的配列制御による機能性空間の創製(東大院総合文化)内田 さやか
14:40-15:00 キラル液晶反応場を用いる 光反応の制御(理研・JSTさきがけ)石田 康博
15:00-15:20 自己組織化パラジウムナノ触媒を用いる有機合成(理研)山田 陽一
15:20-15:40 シリカアルミナ固定化有機アミンの酸・塩基両機能触媒作用(東工大院総理工)本倉 健
15:40-16:00 ゼオライトに担持した原子状パラジウム触媒(鳥取大院工)奥村 和
16:00-16:20 合金ナノ粒子の水素吸蔵特性の解明と触媒材料への展開(北大触セ・JST PREST・JST CREST)山内 美穂
16:20-16:30 総評(北大触セ)原 賢二
 

趣旨

○。

プログラム:3月29日(火)

13:30-13:35 趣旨説明(京大化研)佐藤 直樹