(2007. 12. 13 更新)

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IUPACから“グリーンブック”の第3版が出版されました



日本化学会 単位・記号小委員会

国際純正・応用化学連合 (IUPAC) では、化学の研究と教育に重要な取り決めごとや情報を、IUPACの中におかれたいくつかの専門部会から手引書として刊行しています。その中では、化合物命名法と、標準原子量・同位体存在比などの最新の数値集がよく知られています。それぞれの手引書は表紙の色で区別しています。その一つで通称グリーンブックとよばれるものは、「化学および関連分野で使われている量と単位、およびそれらの記号の定義、相互の関係、使い方のルール」などを解説した手引書で、「物理化学・生物物理化学部会(Division I)」の「物理化学記号・用語・単位委員会 (Commission I.1)」 が作っており、1969年に初版が出たあと、1988年に大幅な増補改訂が行われ、日本からは朽津耕三氏が参画されました。この版は1993年に一部改訂されましたが、本年8月に第3版が完成し、このほどRoyal Society of Chemistryから次のタイトルで出版されました。

Quantities, Units and Symbols in Physical Chemistry, Third Edition, RSC Publishing, Cambridge, UK (2007).
詳細はこちら をご覧ください。

この本は、A4版にして実質220ページほどで、物理化学で使われる多数の量の名前・記号・単位・定義と使い方、SI単位および非SI単位の定義と相互換算表、数学記号の意味と使い方、基礎物理定数、素粒子や元素・核種の性質についての最新の測定値、などが採録されています。さらに今回の版では、「量の測定に伴う不確かさの扱い方」についても解説され、また、略語、参考文献、記号と記載事項の詳しい索引もつけられています。この本の性格は、堅苦しい「ルールブック」のようなものではなく、読者がこの本を手がかりとして「科学の文法」の本筋をよく理解し、正しく使って情報の処理と交流に役立てるためのガイドといえましょう。その意味で本会の会員の皆様に出版をお知らせすることは単位・記号小委員会として有意義と考えます。なお、現在、この本の日本語版を作る作業の準備も進んでいます。


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